
かつて、若狭湾からはるばる鯖街道を経て大阪に届けられた鯖は、大阪商人の「何事も無駄にしない」という「始末」の心意気から、余すところなく食べられた。「鯖の生き腐れ」と言われるように、痛むのが早い鯖は、水揚げされるとすぐに塩をふり、京都や大阪へ運ばれ、届くころにはちょうどよい塩梅の塩鯖になっていた。
鯖の身は、焼き物や煮物にして食べ、あとに残ったアラで作った椀物が「船場汁」だった。その名の通り、はじめは大阪の商家が立ち並ぶ地区であった船場の商人たちが、アラを美味しく食べようとあみだした料理。
塩鯖のアラでとった上品な出汁に、大根を加え薄口醤油で味を調える。と、手間もお金もかからず、あたたかい椀物が味わえるといった具合。商家では、忙しい年の暮れに大鍋で一度にたくさん作り、多くの使用人たちに振る舞った。手軽に体をあたためられ、大変重宝された。経済的で美味。大阪らしい一杯だ。
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今日はアラではなく、塩鯖の身を使ったレシピを紹介します。
●船場汁
<材料> 2〜3人分
塩鯖 半身1枚
大根 10cm
昆布 10cm角1枚
酒 大さじ2
水 1000cc
薄口醤油 小さじ1/2〜1
塩 適宜
芽ネギ 適宜
<作りかた>
1. 塩鯖は適当な大きさに切りザルにのせ、熱湯(分量外)を回しかけて臭みをとる。
2. 大根は皮をむき、5cmの短冊切りにする。
3. 鍋に塩鯖、昆布、酒、水を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布をとり除き、アクをとりながら弱火で5分ほど煮る。
4. 3に大根を加えてさらに煮て、透き通ってきたら薄口醤油と塩で味を調える。
5. お椀に盛りつけ、芽ネギを飾ったら完成。
*仕上げにコショウを振ったり、酢を少したらしたりするおうちもあります。
*塩鮭や塩ブリなどで作っても美味しくできます。