
具だくさんでほくほくもちもち。餅米の甘みが口の中いっぱいに広がる。
鳥取県の大山山麓や米子周辺に伝わる郷土料理の「大山おこわ」だ。
最盛期には高野山や比叡山と並ぶほどに山岳信仰が盛んだった大山周辺。大山おこわはもともと、修験場として栄えた大山の僧兵たちの携帯食だったとか。キノコや山菜、山鳥など豊かな山の恵みを詰め込んだおこわを、厳しい修行の日々の滋養食としたのかもしれない。
かつては「汗入りおこわ」と呼ばれて、庶民の間にも広まってからは、毎年行われる氏神さまの例祭や祝儀、祭事の際に、ごちそうとしてどこのうちでもで手づくりされたものだった。貴重な餅米を贅沢に使い、四季折々の食材をふんだんに炊き込んだおこわは、おめでたさを増幅してくれたに違いない。明治時代には、大山寺の博労座で開かれていた牛馬市で、牛や馬の仲買商人たちの食事として出されるようになる。その頃から大山寺周辺の食堂などで「大山おこわ」の名前で提供されはじめ、いつしか大山名物になっていったのだとか。
今でも大山周辺では、各家庭で作り続けられていて、使う具材も家によってさまざま。地元で穫れる旬の食材を、皆好き好きに使うところが一番のポイントだそう。
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●大山おこわ
<材料>
餅米 3合
鶏胸肉 1枚
筍水煮 1/2個
ニンジン 1/2本
コンニャク 1/4枚
椎茸 2個
ちくわ 2本
醤油 大さじ3
砂糖 大さじ3
みりん 大さじ2
酒 大さじ2
だし汁 適宜
サラダ油 大さじ1
<作りかた>
1. 餅米を洗って、たっぷりの水に浸けて一晩おく。
2. 作る数時間前に餅米をザルにあけ、水を切っておく。
3. 具材はすべて細かく切り、コンニャクは下ゆでする。
4. フライパンにサラダ油を敷き、具材を炒める。
5. 鶏肉に火が通り、全体がしんなりしたら味付けして火を止めておく。(*1)
6. 炊飯器に餅米を入れ、だし汁をひたひたくらいに注ぐ。(*2)
7. 餅米の上に具材を敷き詰めて、普通に炊いたらできあがり。
山菜、ゴボウ、栗、さつまいもなどを入れてもおいしい。
いろいろな具材で試してみてください。
*1 具材にはちょっと濃いめに味を付けるのがポイント。
*2 餅米は吸水しやすく、水が多すぎるとベタベタに粘ってしまうので、おこわを炊く場合は水を少なめに。目安は餅米よりも2mmくらい上まで注ぐくらい。水の量は餅米の量を基準にするので、具材が多くなってしまっても水を増やす必要はありません。